Archive for 2006
損害保険会社による自動車保険の保険金未払いのニュースが続いていますが、火災保険の保険料取り過ぎも続出していたようです。
ツーバイフォー住宅については証明書を出すことによって保険料が安く算定されることがあります。
また木造住宅の外壁全面にALC版を使っていれば同じく保険料が安くなることがあります。しかし保険代理店の誤認等により安くはならず保険料が1.5倍から2倍になっているケースもあるようです。
一定の鉄骨造プレハブ住宅に適用される耐火性能割引、家の周りに空地があると適用される住宅物件空地割引、オール電化住宅割引、安全機能付コンロ設置住宅割引、地震保険築年数割引、等様々な割引があり営業現場が全て熟知するのは難しいようです。
顧客には保険料のみが示されることがほとんどでしょうから、顧客に分かるはずもなく、本来は割引が適用されるケースでも適用がされていません。
複雑な商品を開発したものの現場が商品に対応できず、何万件の未払いをしてしまった自動車保険の保険金未払問題と全く同じ構図のようです。
(日本経済新聞2006.12.14.)
日本経済新聞(2006.10.12.)に「損保各社・長期火災保険料上げへ」という記事がありました。
期間10年超の長期火災保険は儲からないので、廃止しようとしました。しかし保険料値上げをすることで存続させることにしたという記事です。
「同保険は住宅ローンと組み合わせるケースが多く、代理店になっている銀行などのニーズを無視できないと判断した。」
「超長期の火災保険は銀行でのニーズが高い。」
お客様のニーズは無視しても、代理店である銀行のニーズを損害保険会社は無視しません。顧客のニーズとは一言も記事にはでてきませんね。
超長期となる住宅ローンに対して、期間が5年等の火災保険だと、住宅ローンの貸し手である銀行にとって担保更新手続き等が面倒だから超長期の火災保険が必要というのが理由なのでしょう。
お客様に対する何万件単位の保険金未払い事件の真っ只中なのですが、お客様より代理店の意向を重視する損保会社の風土は変わらないようです。
損保業界側の広報担当者が、銀行のニーズは気にしても、契約者であるお客様のニーズなんか気にしていないという素直な本音の気持ちのままで、新聞記者の取材に応じたところ、このような素直な表現の新聞記事になったということでしょう。
損害保険会社は、保険金の未払いばかりでなく、保険料の取り過ぎまでも報道され始めています。
明治安田生命以降、保険金の不払いによる保険会社の処分が続きました。
NBL2006.8.1号に、弁護士であり、またアフラック(アメリカンファミリー)法務部長の芦原氏がビジネスを進める上で注意していることについての寄稿しています。
そこで保険会社に対しての生命保険金不正請求についてどう対応しているのかが書かれています。
生命保険金についての明らかな不正請求があった場合には、まず請求に応じられない旨の文書を送ります。
これで収束しないで更に問い合わせやクレームが入るのならば、保険会社として証拠を掴んでいることを示して不払い方針を再度伝えます。すると徐々にトーンダウンしてようです。
しかし「トーンダウンしない、何かおかしい」との違和感を感じたなら、再検査に踏み込みます。
そうして保険会社側に不利な事情があることが判明した場合には請求者に歩み寄ることを検討し、保険会社側に不利な事情がない場合には、顧客に対する対応からクレーマーに対する対応にレベルを変える等を検討します。
変額年金が銀行窓口販売により急拡大し、そのうちでも払込保険料が運用終了後に確保される「元本保証型」の割合が9割に達したようです。
元本保証のない変額年金もありますが、売れていません。販売窓口の銀行としても顧客に販売しやすい「元本保証型」変額年金を望むのでしょう。
生命保険会社にとって、元本保証商品は重荷になる可能性があります。運用実績が悪ければ保険会社が最終的に補てんするのですから。
(日本経済新聞2006.6.30.)
生命保険会社は過去に高利率商品を売りまくり、バブル崩壊と低金利逆ザヤに死ぬほど苦労したはず、果たしてその経験を生かした経営戦略なのでしょうか。
過去の経営陣の失策による逆ザヤ処理で苦労したのは、現在の経営陣のはずなのですが。将来生じるかもしれない元本保証への苦労は、将来の経営陣が担当することになるのでしょう。
損保ジャパンに続いて三井住友海上が業務停止命令を受けました。昨年2万7000件の保険金未払いを報告していましたが、金融庁の検査で新たに1万7000件未払いが発覚です。
「商品開発競争に明け暮れて肝心の保険金支払い体制が疎かになった構図は業界共通だ。」
(週刊ダイヤモンド2006.7.1.)
ほとんど想像を絶します。バカバカしくて声もでません。複雑な商品を開発して販売したけれど、商品が複雑すぎ、現場でその商品を理解できず、保険金の支払い方が分からなかったというお粗末さです。
