Archive for 2005

銀行の窓口で販売される生命保険商品は個人年金に限られていました。そして2005年12月からは販売可能な商品の追加解禁がなされます。

生保最大手の日本生命はこの追加解禁に際して、一時払い養老保険と一時払い終身保険を銀行窓口で販売することを決定しました。

大手生保各社は、この銀行窓口販売の追加解禁についてどのように対応するのか、態度を保留していましたが、日本生命の方針決定により、一斉にその後を追うのではないでしょうか。

そして2007年末にはすべての保険商品の銀行窓口販売が全面解禁される見込みです。

(日本経済新聞2005.8.20.)

T&Dファイナンシャル生命保険は銀行窓口販売チャネルと営業職員チャネルとの2本柱の販売体制をもっていました。

ついに営業職員チャネルを廃止して、銀行窓口販売チャネルに特化します。そのために9月までに全国46ケ所の営業支社をすべて閉鎖します。現在の営業職員399人は一定の要件を満たせば系列の大同生命か太陽生命に転籍します。

(保険毎日新聞2005.8.23.)

アメリカンアァミリー生命は消費者が店頭で保険加入を申し込む来店型店舗の出店を進め、3年内に400店に倍増させます。

今後は繁華街や駅に隣接した利便性の高い立地を中心に店舗を倍増し、集客力を高めます。なお店舗運営は同社と契約している販売代理店が担当します。

(日本経済新聞2005.8.12.)

生命保険は営業員から勧められるばかりのものではなく、銀行の窓口や保険会社の店舗で相談して契約するのも当たり前の時代が到来します。

2005/8/25 木曜日

日本での大手の生命保険会社各社は「相互会社」という、保険業法が定める特異な法人格です。この相互会社は日本には6社しかありません。

ここに株主は存在しません。保険契約者が「社員」という株主のような立場になっています。つまりA生命の契約者は、A生命の株主の立場である「社員」と呼ばれる存在なのです。ただしこんなことを意識している保険契約者はほぼ皆無でしょうが。

A生命の取締役は、このA生命の保険契約者の代表者が集まる「社員総代会」で選出されます。保険契約者が取締役を選任して保険システムの運営を委任するという考え方なのです。

例えば日本生命の契約者数は1140万人。うち150人が社員総代として社員総代会に出席して取締役を選任します。契約者は社員総代会を傍聴できますが、昨年の傍聴者数は52人でした。相互会社各社の社員総代会が7月5日に一斉に開催されます。

(日経金融新聞2005.6.16.)

さて社員総代を選任するのは誰でしょうか。

各保険会社が設置する「総代候補選任委員会」です。有識者が委員になるようですが、実質的な運営は保険会社サイドでしょう。つまり保険会社では会社が社員総代を実質的に選び、選ばれた社員総代が取締役を選任するという仕組みになっているのです。

ライブドア・ニッポン放送事件以降、企業統治(コーポレートガバナンス)が議論されています。しかし株主が存在しないので買収される心配もなく、また会社側が取締役を実質的に選任するという、まことに生ぬるい仕組みがここに存在します。

2005/6/23 木曜日

マンション大手4社の2004年度でのネット経由の購入者が全体の30%を越えました。ホームページ上で資料請求した結果として最終的に契約に至った件数が全体に対してどのくらいの割合なのか、です。

大京34.5%、野村不動産32.5%、三菱地所38.4%、住友不動産30.7%。各社はネットでの情報提供に工夫を凝らします。(日本経済新聞2005.5.9.)

宅地建物取引業法は消費者保護です。消費者保護のために最低すべきこと公開すべきことを定め、違反した不動産業者をつぶすことをいといません。

不動産業界に比べて保険業界特に生命保険業界は異常です。保険業法は保険会社保護です。例えば日本国民がアメリカに行き内閣総理大臣の許可もなく、アメリカの保険会社の生命保険に入るとその日本国民には50万円の罰金(過料)となっています、この時代に。笑ってしまいますね。そこまでして保険業法は日本の保険会社を守ります。保険業法は保険の比較販売を実質的に禁じ保険業界を守ります。保険会社は営業現場に対し顧客への詳細な情報公開を禁じます。

不動産販売では、他物件との比較は当たり前、販売物件に惚れ込んでセールスするのは当然です。それは顧客に有益な情報です。保険の世界ではその多くが禁止です。消費者は比較もできずに適切なアドバイスも受けられません。コンプライアンス(法令遵守)という名目での保険会社の保身のためにです。

ネット時代になり保険会社が思い通りに現場をコントロールできなくなっています。保険会社が保険代理店にホームページ閉鎖を求めたり、掲示板への書込禁止を命じたりするようになっています。

2005/5/26 木曜日

イトーヨーカ堂蘇我店(千葉県)の食品売り場と通路をはさんだ隣にヨーカ堂が経営主体の銀行IYバンク初の有人店舗ができました。

行員の制服は真っ赤なエプロンです。写真を見ると店舗といってもスーパーのレジ台のようなカウンターがあるだけです。

銀行業務証券業務のIYバンク・クレジットカードサービス・生命保険代理店・公共料金収納のためのセブンイレブンのそれぞれのカウンターが並んでいます。営業時間はスーパーと同じで週末も夜10時まで。ここで金融のワンストップショッピングが可能です。

IYバンクは銀行の取り次ぎを行います。銀行代理店を志向しているようです。このIYバンクのカウンターでは銀行5行の総合口座を選べます。

顧客に申込書を書かせて免許証等で本人確認をして希望の提携金融機関に取り次ぎます。外貨預金、住宅ローン、自動車ローンも複数商品から選べます。

銀行取引の比較購買がここから始まりそうです。

IYバンク社長へのインタビューです。

「大手銀行もスーパーの店内にインストアブランチを開いているが、ほとんどはもうけるという考え方から、住宅ローンなど一部の商品に絞っており、現金の受け払いもしていない。

我々はもうかるかどうかは関係なく、お客さんが必要としていることをやる。」

(日経流通新聞2005.4.29.)

2005/5/5 木曜日

変額年金大手のハートフォード生命保険は昨年一年間で日本での資産残高を2.3倍の147億ドルにしました。米国においては、ハートフォードが変額年金の販売を開始して150億ドルになるのには6年かかりましたが、日本では4年でそれを達成しました。

金融庁が生命保険会社での変額年金について責任準備金規制を行いました。販売に際して適切な準備金積み立てを求めます。そのために日本法人のハートフォード生命は販売好調にもかかわらず親会社からの増資が必要となり1億ドルの増資を受けます。

また変額年金を販売する生命保険会社各社は同じ理由で増資を迫られており、マスミューチュアル生命も米国の親会社から40億円の増資をうけます。

(日経金融新聞2005.4.1.)

2005/4/28 木曜日