Archive for 2004
住宅ローンには3年固定・5年固定…35年固定等の固定金利型と変動金利型があります。マイホーム取得にあたりどれを選択するかは悩ましい問題です。
さて、日本生命は新しい「積立利率変動型年金」を発売しました。この年金には5年固定型・10年固定型・15年固定型と変動型があります。年金保険の購入時(契約時)にどの運用にするか選択します。
住宅ローンなら、いざとなれば繰上返済での借り換えが可能ですが、年金はそうはいかずに「解約」となってしまいます。住宅ローン以上に真剣に悩まなくてはいけないもののようです。12月以降、全国120の銀行等で順次販売開始されます。銀行はどのように販売するのでしょうか。
(保険毎日新聞2004.12.1.号)
自動車保険は毎年更新です。無事故割引の等級は他の保険会社に移っても引き継ぎます。そのために毎年新契約のチャンスがあり、そして各社それほど差のない画一的商品。これはネット通販になじみやすい商品特性です。そして画一的商品だから保険料が比較しやすく、一括比較サイトが成立します。
「自動車保険一括見積もりサイトの利用率は約2%と推定。2004年7月の個人自動車保有台数が約4200万台。これに対して自動車保険一括見積サイトの年間利用者は約80万人。80万人を420万台で割ると約2%。自動車保有者50人に1人が利用しているということになる。」
インターネット利用シェア(個人)では、株式取引は70%、航空券(個人予約)は40%、銀行決済20-40%、ホテルの予約13%、とのこと。そのなかで自動車保険の2%という数字は意外に低いものです。これはネットに不適なのか、これから伸びるのか。
(保険情報2004.11.19.)
値下がりした資産は値下がり損を計上しなくてはいけません。それが減損会計です。
減損会計の実務のスタートはグルーピングから始まります。対象資産をグループ分けしてグループ単位で減損処理をします。りそなHDでは営業用店舗を基礎として一定の地域単位にします。伊予銀行は営業店グループ単位にします。相模鉄道は物件ごと店舗ごと等の管理会計の区分によるグループです。
さて損保ジャパンは、保険事業等の用に供している不動産等について、保険事業等全体で1つの資産グループにします。
保険事業を1つのグループとみるということは、本社ビルや全国各地の営業所建物をすべてまとめてひとつのグループにして、保険事業全体のキャシュフローが回っていれば、減損処理が不要ということのようです。
保険事業全体を1つのグループと認識して、保険事業全体のキャシュフローで採算が回っているかどうかとするのならば、各保険会社の本社ビルや全国各地の営業所は実質的には減損処理の対象から外れかねません。
もちろん賃貸不動産や不稼動不動産はこれらと切り離し物件ごとに1グループですから、各値下がり額が一定のルールに従い減損処理につながります。
賃貸不動産を現在価値に引きなおすときの割引率は各社大きな差になっています。損保ジャパンは6.0~9.5%と自ら厳しい数字をだしていますが、北陸電力等は1.8%です。
これでは同じ賃料収益があっても物件の価値として認識する金額は2倍3倍の格差も当たり前となってしまいます。あらためて「時価」とは何なのでしょうか。
減損会計の強制適用(大企業だけです)は2006年3月期です。2004年3月から先陣をきった保険会社は、損保ジャパン一社です。余裕がなければできません。
(リアルエステートマネジメントジャーナル 2004.9月号)
変額年金専門の三井住友海上シティ生命は117億円の増資をして増資後資本金283億円になります。
増資の理由は変額年金が売れすぎて資金繰りに窮したことです。一時払100万円の変額年金を銀行に販売してもらうと、3-5万円の販売手数料を保険会社は銀行に払います。契約者からはこの後ずっと手数料を受け取りますが、契約時手数料はありません。保険料は預かり投資金ですので手をつけられません。
つまり年金販売時の保険会社は手数料を銀行に払うだけで持ち出しなのです。保険会社では変額年金が売れれば売れるほど当座の支払いが増えるのです。
仕方がないから親会社からの増資でまかないます。変額年金専業のハートフォード生命も定期的な増資を迫られているようです。
(日経新聞2004.8.27.)
生命保険大手各社は逆ザヤ価格変動リスクに対応するために基金や準備金の積立を進めます。内部留保の拡大を目指しています。困ったことはこれら準備金の積立等は税務上の損金にはなりません。
多額の積立をすれば苦しくなるのですが、赤字決算にはできません。マスコミによりすぐに「危ない保険会社」にされてしまいますから。だから逆ザヤで苦しくても精一杯の利益計上の決算にします。
任意の準備金積立は税務上の損金になりません。課税利益はその積立分が利益に更に上乗せです。
だから法人所得ランキングでは、逆ザヤで苦しいはずの大手生保が上位に並び法人税を払います。
1位トヨタ自動車・3位日本生命・29位第一生命・75位明治安田生命・165位住友生命。
(日経ビジネス2004.8.30)
保険がたくさん売れれば資金繰りが苦しくなり、苦しいから積立するために法人税をたくさん払う。生命保険会社の決算はよく分かりません。
生命保険会社の「予定利率」問題というと「逆ザヤによる引き下げ」の話題ばかりでした。生命保険会社が破綻しないように既存の保険契約の予定利率を引き下げようとしました。
金利上昇でいよいよ流れが変わります。第一生命は一時払養老保険の予定利率を8月募集分から引き上げました。予定利率が高くなるとは保険料が割安になることを意味します。同じ保険料ならば保険金額が増えます。50歳男性10年満期一時払なら同じ保険料で満期の受取保険金受取額は1割増えます。
予定利率を引上げる目的は金利感応度が高い消費者へ向けたデモンストレーションということ。第一生命でも主力商品の予定利率引上げには慎重です。
(週刊ダイヤモンド・2004.8.14-21号)
損保ジャパンは市場金利に連動して予定利率を上下させる機能をもつ終身医療保険を発売です。金利上昇で予定利率がアップすれば保険料は下がります。
35歳時の現在において60歳払込満了での予定利率1.5%で保険料3860円として、予定利率が3.0%まで上がれば、保険料は2940円にまで下がります。下落率は23.9%になります。金利が上がれば保険料が下がっていくことになります。
(保険情報2004.7.16.号)
