Archive for 12月, 2003
生命保険を同じ会社の別の商品に乗り換える転換契約(コンバージョン)については、契約者によく説明されないまま、契約者に不利な契約を強いていることがよくあるようです。
生命保険協会の調停機関「裁定審査会」で、生命保険会社と契約者との間で転換を取り消す和解が成立します。生命保険協会が間に入った転換契約の取り消しは2件目だそうです。
日経ビジネス誌に掲載の「保険見直し」という設計書では、従来契約の「リード21」という終身保険については、一定年齢で保障が激減し保険料だけが増える図が描かれています。実際には保険料が増えれば保障が維持されるのですが、それを書かずに不利な点だけを描くので、従来の契約については実際よりも不利に見えて(見せて)しまうのでしょう。
一方で転換後新契約「堂堂人生アンカー・らぶ」は、将来においてより保険料負担が重くなることが読んだだけでは理解しずらいようです。
この設計書はコンピューターで打ち出された立派なカラーのもの。一営業員が手書きで書いたり、ワープロしたものではなく、大手保険会社がシステムとして日本全国で使っていたものなのでしょう。トホホ…何とも絶望的な気分になってしまいます。
生命保険協会の担当者は「申込書に本人が署名、押印していれば、(契約者は)裁判では勝ち目が薄い。」のだとか。これに対して記者は「法的な責任はともかく、定年を間近に控えた男性のことを考えて提案されたかどうかは疑わしい。」と書いています。
かつては銀行を訴える裁判での裁判官は「銀行が悪いことをするはずがない」と思い込んでいて、思い込みに基づく判決ばかりでした。今は違います。「銀行が悪事をすることも多い」という事実を多くの裁判官は実際の裁判の中から知りました。
保険会社に対しての裁判官の思い込みが変わって「勝ち目が濃く」なるのはいつになるのでしょうか。多くの騙された契約者が訴訟をしない限りは裁判官は実情を知ることができないのでしょうか。
第一生命では「年間約100件の転換契約を元に戻している」そうですし、大手生保では年間数十件から百数十件もの取り消しが行われているようです。
「騙された」と思ったら、とりあえず保険会社に怒鳴り込みましょう。取り消しは可能なのですから。
(日経ビジネス2003.12.22・29日号)
プルデンシャル生命が新商品を発売します。子が契約者かつ被保険者となり、親が保険金受取人になります。親が被保険者で子が死亡保険金受取人なら当然ですが、逆のパターンです。
小子化高齢化を背景に、独立した子供たちが「自身の死により、遺された親の生活の経済的な不安を取り除く」というコンセプトの商品です。子が死ぬと親が死亡保険金を受け取ります。親が先に死ねば親の経済的不安も消滅しますので、それまで払い込んだ保険料が子に戻されて保険は終了します。また親が90歳に達するか子が70歳に達したときに契約は満了します。
社会のニーズを的確に読み取った新しい保険商品といえるでしょう。
(保険毎日新聞2003.12.8.)
株価が上昇したことにより、保険会社の安全度を確認するためのソルベンシーマージン比率は各社大幅に上昇し、大手生命保険会社は何とか一息つきました。例えば日本生命は前年度末の630.6%から800.6%へと大幅アップしました。
しかしプルデンシャル生命は1096.8%から1057.7%へとダウンです。「債券価格が下がり、それによって、含み益が減少したことが大きなインパクトとなっている。ほとんど債券運用している生保にとって、同じ現象が起きているだろう。…同社執行役員」。(保険情報2003.12.5)
株価が上がって救われる金融機関ばかりではないようです。金利上昇により債券価格は下落します。株式でなくもっぱら国債等の債券で運用している金融機関は金利上昇による試練を迎えます。
