Archive for 2002

「灰皿を 捨てた日 君の 生まれた日」

(保険毎日新聞2002.12.17)

2002/12/19 木曜日

証券会社や銀行が保険会社の代理店となって変額年金保険を売りはじめました。

日経新聞2002.11.10号の「実践投資塾」に北山雅一氏が「変額年金の活用法」を説明しています。

通常の変額年金保険は死亡保障分の保険関係費として資産額に対し年1%から2.35%程度支払う。そしてそれとは別に運用信託についての運用関係費を払う。もし両者合計で3%なら年率3%以上で運用できなければ元本割れ。7年未満の短期解約にペナルティーを科す商品もある。

週刊ダイヤモンド2002.11.16号の山崎元氏による連載記事。筆者は生保会社から証券会社へ渡された「貴社限り」資料を入手します。変額年金保険販売への「代理店手数料」が明記されていました。代理店である証券会社が保険会社から受け取る手数料は顧客がおカネ払込み時5%程度、そして契約が継続されれば一年当たり0.1%程度とあります。保険料100万円だと払込時5万円の新契約獲得手数料、それ以降毎年1000円の継続手数料が、保険会社から証券会社に支払われます。

この二つの記事を組み合わせると仕組みが見えてきます。顧客が保険料100万円を保険会社に払うとき顧客は手数料を払わないのが普通ですが、にもかかわらずこの時に保険会社は証券会社に5万円の新契約獲得手数料を支払います。その後毎年3万円の保険関係費と運用関係費を保険会社は顧客に請求するので、払った5万円は数年で元がとれるのでしょう。たとえ早期解約となってもペナルティーとして解約控除をするので保険会社の懐は痛みません。

運用商品としての変額年金保険が投資信託より優れているのは課税繰り延べの税務メリットだけです。山崎元氏は「節税がメリットの少しセコイ印象の商品」で「解約しにくくおカネを牢屋に入れてしまうような感触」といいます。そして運用先のスイッチング無料が魅力という意見に対しては「本来ばたばたとスイッチングする必要もありませんし、商品の内容とコストを考えると無責任なアドバイス」と切り捨てています。

2002/12/5 木曜日

余命半年と診断されれば生命保険の死亡保険金が生前に支給される「リビングニーズ特約」はかなり一般化しました。プルデンシャル生命が日本で初めてこの特約を導入して満10年です。その間で同社はこの特約により150件15億円の保険金を支払いました。内訳は働き盛りの30代から50代が66%、保険金の使途は医療費が51%、また本人が余命半年ということを知らない割合が約半分(代理人により保険金申請が可)です。(保険毎日新聞 2002.10.22号)

この特約は医師の診断書により余命6ケ月以内と判断されれば、死亡保険金の全部又は一部が生前に支払われ、そして6ケ月以上長生きし病状が好転してもおかまいなし、という生命保険の特約です。なにより特約保険料が無料というのがいいところです。

無料の特約としてはソニー生命が「ナーシングニーズ特約」として公的介護保険の要介護4または5に認定された場合に主契約の死亡保険金の前払いをするという特約を2002年4月から始めています。

2002/11/7 木曜日

生保会社が破綻した場合の契約者保護のためには「生命保険契約者保護機構」があります。ここには生保各社が5600億円拠出しており、その上で公的資金枠4000億円が与えられています。各社拠出分はすでにほぼ使い切っています。なにしろ東邦生命一社の破綻で3663億円も使いましたから。公的資金枠は来年3月期限切れのはずでしたが延長されるようです。(日経2002.9.28.)

この4000億円は単なる「枠」であってまだ1円も使っていませんので、生保業界に対してはまだ公的資金は使われてはいません。しかしこの4000億円枠の維持は政府による生保業界保護打ち切りの手切れ金になるのではないでしょうか。

以下は銀行保有の株買取りに関して日銀理事の記者会見(9月18日)です。生保会社はそもそも金融機関ではなく、日銀には生保会社とその契約者を救う必要も余裕も気力もなさそうです。

(理事)今回の目的は、あくまでも金融機関が大量に保有している株式のもたらす価格変動リスクというものを、多少なりとも軽減するために、日本銀行として何らかの措置を講じたいということだ。

(問)生命保険会社はこの買取りの対象に含まれるのか。

(理事)今は私どもは金融システムの安定という範疇で考えているから、全く念頭にない。

(問)生命保険会社は金融システムに不安を与えていないのか。

(理事)直接的には金融システムの外に所在する金融機関類似のものだというふうに思っているが。

http://www.boj.or.jp/press/kisha210.htm

2002/10/17 木曜日

10月1日からに変額年金の銀行での窓口販売が始まりました。しかしNTTドコモの社員は東京三菱銀行やUFJ銀行などで変額年金を買うことができません。これら銀行がNTTドコモに行員を出向させているからです。(日経金融2002.9.30号)

変額年金は生命保険契約です。だから銀行が変額年金の窓口販売を始めるに当たって各銀行は生命保険会社の保険代理店となりました。そして生命保険業界には「構成員契約規制」というものがあります。

法人の保険代理店は密接な人的資本関係を有する企業グループや関連会社に所属する役員や従業員には保険を売ることが原則できません。

これは勤務先企業から従業員が強制的に保険加入を求められることを防ぐとともに、専業外務員中心の生命保険会社を守るための制度です。

大企業であればその従業員だけをマーケットにする保険代理店となるだけで大きな保険ビジネスになりそうですが、この規制のためにそれはできないことです。さて今回の問題は規制対象の関連会社に「社員が出向している会社」が含まれることです。

NTTドコモには東京三菱銀行やUFJ銀行などが行員を出向させていますから、NTTドコモの社員はこれら銀行の窓口で変額年金を変えないのです。

この規制により銀行の窓口で変額年金を買いたくても、売って貰えないサラリーマンは、NTTドコモの他にも多いのではないでしょうか。

2002/10/3 木曜日