値下がりした資産は値下がり損を計上しなくてはいけません。それが減損会計です。
減損会計の実務のスタートはグルーピングから始まります。対象資産をグループ分けしてグループ単位で減損処理をします。りそなHDでは営業用店舗を基礎として一定の地域単位にします。伊予銀行は営業店グループ単位にします。相模鉄道は物件ごと店舗ごと等の管理会計の区分によるグループです。
さて損保ジャパンは、保険事業等の用に供している不動産等について、保険事業等全体で1つの資産グループにします。
保険事業を1つのグループとみるということは、本社ビルや全国各地の営業所建物をすべてまとめてひとつのグループにして、保険事業全体のキャシュフローが回っていれば、減損処理が不要ということのようです。
保険事業全体を1つのグループと認識して、保険事業全体のキャシュフローで採算が回っているかどうかとするのならば、各保険会社の本社ビルや全国各地の営業所は実質的には減損処理の対象から外れかねません。
もちろん賃貸不動産や不稼動不動産はこれらと切り離し物件ごとに1グループですから、各値下がり額が一定のルールに従い減損処理につながります。
賃貸不動産を現在価値に引きなおすときの割引率は各社大きな差になっています。損保ジャパンは6.0~9.5%と自ら厳しい数字をだしていますが、北陸電力等は1.8%です。
これでは同じ賃料収益があっても物件の価値として認識する金額は2倍3倍の格差も当たり前となってしまいます。あらためて「時価」とは何なのでしょうか。
減損会計の強制適用(大企業だけです)は2006年3月期です。2004年3月から先陣をきった保険会社は、損保ジャパン一社です。余裕がなければできません。
(リアルエステートマネジメントジャーナル 2004.9月号)
