日経ビジネス2009.3.23号が、第一生命2008年4月-12月期を例にとり「生保経営は危機が見えにくい」ことを解説しています。生保の基礎的な期間収益を示す基礎利益は2709億円でしたが、保有株価の大幅下落により4844億円の減損が生じています。
本来ならば2135億円の経常赤字です。しかし逆に582億円の黒字になっています。それは資産運用がうまくいかないときのために積み立てた危険準備金から4931億円を取り崩し、それが収益計上されたからです。さらに価格変動準備金も1200億円取り崩して、事業会社の純損益に相当する金額は1061億円の黒字に落ち着きます。
単年度業績をみるとこの二つの取り崩しがないとすれば5069億円の最終赤字なのです。まさに決算数字は結果ではなく、経営サイドが決めた数字です。
生命保険各社はこれら準備金の積み立てと取り崩しで自由に決算の数字を組み立てられます。もちろん積立金が枯渇すれば取り崩しはできませんが。
(日経ビジネス2009.3.23号)
生命保険会社の安全性指標はソルベンシーマージン比率です。これが200以上なら「安全」と言われます。
しかし破綻した大和(やまと)生命のソルベンシーマージンは18年度末836、19年度末555、それで逝っちゃいました。さて各生保の4-12月期のソルベンシーマージン比率が2月14日日経にのっています。
日本生命保険929、第一生命保険756、明治安田1091、住友生命保険858。この辺りは、ちょっと前の大和生命と同じレベル。三井生命625、朝日生命551。この辺りは破綻直前の大和生命と大きく変わりません。
大和生命は粉飾かもしれませんが、それでも200で大丈夫なんて、本当なんでしょうか。
それに200と聞くと、「2倍も安全」と思います。
「ソルベンシーマージン比率=支払い余力÷(リスク総額×0.5)」
支払い余力=リスク総額=1億円と置いてみましょう。なぜか200%になります。胡散臭いのが分母の「0.5」。常識的に同額なら100%ですが、この「0.5」のお蔭で200%です。何か詐欺っぽい「0.5」です。
